ISBN978-4-8013-0739-1 C0039 272頁
発売:2024-08-23 判形:4-6 1刷
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1089(y914)t0:k0:s131;j175;(c2500;o2500)
[内容]
呪殺。それは人を呪い殺す呪術の奥義である。そして、蠱毒は人の命を奪う呪術、呪殺の手段の中で、最凶の邪法として畏怖されているのだ。
蠱が恐れられているのは単に人の命を奪うからではない。蠱は人を病の苦しみに沈めるのだ。蠱の呪力に憑かれた人は、何か月も、何年も、病の苦しみに苛まれ、絶望の果てに命を落とすのである。
毒針、粘液、強靭な牙、獰猛な食欲を持つおびただしい数の毒虫、爬虫類、小動物を狭い容器に閉じ込め、互いに殺し合い、食い合いをさせる。やがて一匹だけが生き残る。それが蠱だ。
もちろん、このイメージは誤りではない。しかし、蠱を作ることは蠱術の一部であって、全体ではない。蠱はどのような姿をしているのか、蠱をどのように利用するのか。それだけでも、大きな謎である。
しかし、それだけではない。中国史に詳しい人なら、隋代の中国社会を騒がせた猫鬼をご存知だろう。
猫は死ぬと鬼になる。その鬼が猫鬼である。蠱師に操られる猫鬼は猫蠱とも呼ばれる。蠱師が操るのは虫から作られる蠱だけではない。毒虫に殺し合いをさせることは、蠱術の必須の要素ではないのである。
古代から現代まで脈々と受け継がれて来た蠱術の謎に肉薄し、知られざる蠱術の謎を白日の下に晒す。それが本書の目的である。
※本書は2017年7月に弊社より刊行しました『中国最凶の呪い蠱毒』の新装版です。
[目次]
第一章 古文書の中の蠱
第二章 現代中国の蠱術
第三章 造蠱の方法
第四章 蠱の不気味な多様性
第五章 蠱毒からの逃避
第六章 日本の蠱術