ISBN978-4-8013-0672-1 C0193 224頁
発売:2023-07-18 判形:文庫 1刷
税込792円(本体720円+税)在庫あり
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[内容]
喧嘩はひとたび始まると、なかなか収まりがつきません。
争うつもりはなかったとしても、売り言葉に買い言葉、ついカッとなって言い合いになってしまうもの。熱が冷めても仲直りのきっかけがみつからず、気まずい思いをすることも、珍しくはありません。
このやっかいな問題に、文学者たちは向き合ってきました。喧嘩から生まれる心の機微を描き出し、人間の生き生きとした面を、とらえようとしたのです。
ある者は感情の行き違いを描き、ある者は喧嘩シーンをリアルに浮かび上がらせ、またある者は、喧嘩の滑稽さを際立たせました。
本書に収録したのはそんな、喧嘩をテーマにした短編・随筆です。
当事者たちの関係性や、彼らが置かれた環境は、千差万別。現代とは時代背景も異なります。それでもいずれの作品も、エネルギッシュで不思議な魅力を放っています。それはきっと、普段、表に出ない感情の衝突するさまが、描き出されているからでしょう。その魅力を、ぜひご堪能ください。
[目次]
太宰治「市井喧争」
檀一雄「小説 太宰治〈抄〉」
坂口安吾「二十七歳〈抄〉」
井伏鱒二「「槌ツァ」と「九郎ツァン」は喧嘩して私は用語について煩悶すること」
新美南吉「久助君の話」
芥川龍之介「秋」
水野仙子「神楽阪の半襟」
高見順「流れ藻」
葛西善蔵「椎の若葉」
織田作之助「秋深き」
宮本百合子「想像力」
田村俊子「女作者」
林芙美子「母娘」
中島敦「喧嘩」
梅崎春生「時任爺さん」
火野葦平「首を売る店」