ISBN978-4-8013-0001-9 C0030 224頁
発売:2014-06-16 判形:4-6 2刷
税込1320円(本体1200円+税)改装中
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[内容]
『資本論』は我々を取り巻く世界、つまり資本主義社会の構造を解き明かした本だ。
著者のカール・マルクスが生きた時代は、産業革命の直後である。
彼はその産業革命のメッカと言えるイギリスで活動した。
産業革命による機械文明の発達は、生産性を飛躍的に向上させ、
巨大な富を生み出したが、豊かになったのは一部の資本家だけで、
大多数の人々は、資本家に雇われる貧乏な労働者として一生を送った。
マルクスは、資本主義システムで起こるこのような問題を、
既存の経済学理論では説明できないと考えた。
そこで彼は、資本主義の仕組みを労働者の立場に立って科学的に分析し、
原因を究明しようと考えたのだ。完成させた『資本論』が、世界中の指導者、
思想家、労働者たちに多大なる影響を与えたのは言うまでもない。
では、その『資本論』を読むことで、あなたは何を得られるのだろうか?
「社会主義者」や「共産主義者」という言葉は聞いたことがあるが、
「資本主義者」と名乗る人は見たことがない。
それだけ我々は、自分を取り巻くシステムを意識することなく生活している。
これはまるで、水の中に住んでいる魚のようだ。
魚は水について理解していなくても、問題なく生きていけるかもしれない。
しかし、水がどこから来るのか、水が汚染されているとしたら、
その原因は何かを理解していれば、いざという時にどうすれば生き残れるのか、
もっと良い水の中で生きるためにはどうすれば良いのか、対策を立てることができる。
執筆にあたっては、「もしマルクスが現代に蘇って、日本の読者に分かりやすいように
『資本論』を書き直したら、どんな本にするだろうか?」と想像しながら、
制作にあたった。論点を明確にできたので、初心者にとっては、
この上なく理解し易い入門書になったと自負している。(「はじめに」より)
[目次]
1章 そもそも富とは何なのか?
2章 価値の交換がお金を動かす
3章 資本、それはお金を稼ぐお金
4章 労働力は労働者が売る商品である
5章 資本主義システムでの労働の構造
6章 人はどうして資本の奴隷になるか
7章 人はなぜ金持ちになれないのか?
8章 技術の発達が人を幸せにしない理由
9章 資本が雪だるま式に増える理由
10章 資本が巨大になるメカニズム
11章 資本主義は恐慌から逃れられない