ISBN978-4-88392-841-5 C0095 224頁
発売:2012-02-23 判形:4-6 1刷
税込1320円(本体1200円+税)在庫僅少
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[内容]
一〇年ぶりでホームレス界に復帰することにした。
「復帰」というのは、以前、おれはしばしば公園でプチホームレスをやっていたからだ。収入がなく、家に居づらかったのである。
今回のホームレス界への復帰の主な原因は、東日本大震災と、それに伴う原発事故である。あの事故のおかげもあって、おれが請け負っている海外の事業の開始が遅れに遅れている。おまけに原発が爆発したとき、一家で大阪の西成に逃げた。すると想定外の旅費がかかった。
まもなく貯蓄が尽きようとしている。毎日、減っていく預金通帳を見る日々だ。自然、ホームレスの日々が脳裏に蘇ってくる。
最初、おれがホームレス界にデビューしたのは、『ホームレス入門―上野の森の紳士録』(山と渓谷社/角川文庫)の原稿を書いた後の二〇〇一年の春だった。あのときの理由はリストラだった。一年間無職無収入で懐がすっからかんになり、上野公園にしばらく住んだ。
その後、今に至るまで、折に触れて渋谷の代々木公園で寝たり、あるいは名古屋や大阪のホームレス界を探訪し、ホームレスの人々と深く濃く交わってきた。
本書は、それらの折々の体験を描いた実話である。(「はじめに」より)
[目次]
第一章:上野編―はじめてのホームレス
第二章:渋谷・原宿編―代々木公園の夫婦ホームレス
第三章:名古屋編―ホームレススターのテレビ出演
第四章:大阪編―西成の色男